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ドッグフードに塩分はなぜ必要?犬と塩分の関係と適切な与え方を解説

ドッグフードに塩分はなぜ必要?犬と塩分の関係と適切な与え方を解説

犬に塩分を与えるのは危険との考え方は、愛犬家の間に広く浸透しています。

しかしその一方でドッグフードには「食塩」や「塩化ナトリウム」が配合されている製品が多いのも事実です。

そのため一体どうしてドッグフードに塩分が含まれているのかわからずに悩んでしまう人もいることでしょう。

  • 塩分を含むドッグフードは悪いものなの?
  • 犬にとって塩分はどんな意味を持つ?
  • 適切なドッグフードの選び方を知っておきたい!

この記事では上記のような疑問を持つ読者に向けてドッグフードと塩分の関係について詳しく解説しながら、安全なドッグフードを選ぶ方法を紹介しています。

犬にとっての塩分の働きや効能・弊害を知っておくことは飼い主に必須の知識となるので、ぜひ最後までご覧になってください。
もくじ

ドッグフードに塩分が含まれる理由とは?

一般に「塩分」とは「塩化ナトリウム」の量を意味する言葉です。

そして塩化ナトリウムは「食塩」ともほぼ同義となります。

人間や犬など多くの動物にとってミネラルの一種であるナトリウムは必須の栄養素となっているため、塩素とナトリウムが結合した塩化ナトリウム=食塩を摂取することでナトリウムを補っているわけです。

しかし人間と犬とでは必要な塩分量や体に与える影響範囲が異なります。

人間と同じ感覚で犬の塩分をコントロールしてしまうと健康被害を起こす恐れもあるので、まずはしっかりと犬にとっての塩分の役割を覚えておくようにしましょう。

犬にも少量の塩分(ナトリウム)は必要

人間は全身から汗をかくことで同時に塩分を体外に排出する機能を持っています。

猛暑日に水分と一緒に塩分も摂る必要があるとされるのは、発汗によって水分とナトリウムが同時に失われてしまうからです。

それに対して犬は人間ほど大量に汗をかかないので、人間よりも効率的にナトリウムを保持することが可能となっています。

これが「ドッグフードに塩分はいらない」と言われる根拠ですが、あくまでも人間と比べて少量で済むだけで食事から一定の塩分を摂取する必要はあります。

原材料表に食塩や塩化ナトリウムを記載しているドッグフードは、犬の健康維持に必要な塩分量を見極めてバランスを取っていると考えていいでしょう。

犬の体内で塩分(ナトリウム)が果たす役割

塩分が体内で果たす主な役割は3つあります。

1つめは細胞の働きを正常に保ち、酸素や他の栄養素を全身に運ぶ助けをすることです。

これは言うまでもなく生命活動において最重要任務の一つなので、ナトリウムの欠乏は体の至るところに不調をきたす原因となります。

2つめは脳からの電気信号を伝える役割です。

あらゆる反応や筋肉の動きに影響するため、犬が元気に動き回るにはナトリウムが欠かせません。

3つめは体内のPhバランス、すなわち酸性とアルカリ性のバランスを取ることです。

これも生命活動を支える重要な役割であり、ナトリウムは生命の根幹にある栄養素と言っても過言ではないでしょう。

他にも犬の嗅覚や味覚、消化能力のサポートなどナトリウムがもたらす力は計り知れないものがあります。

犬に必要な塩分(ナトリウム)摂取量について

ドッグフードの栄養基準のうち、世界的にもっとも信頼されているのはアメリカ発祥のAAFCO(アフコ・全米飼料監査官協会)基準です。

AAFCOでは犬の健全な育成に必須となる栄養量を公開しており、その中でナトリウムはドッグフード全体のうち「幼犬は最低0.3 %以上、成犬は最低0.08%以上」とされています。

ただしあくまで塩化ナトリウム(食塩)を含むすべての原材料中のナトリウム量を示したものなので、利用者がドッグフードに含まれる正確なナトリウム量を推し量るのは難しいと言えるでしょう。

もちろん犬種やライフステージによって一日に摂取するべき具体的なナトリウム量は変わってくるので、細かく最低値を意識することはあまり現実的ではありません。

普通に総合栄養食のドッグフードを与えていれば最低基準は間違いなくクリアできているので、飼い主が本当に気を配るべきはむしろ塩分の摂りすぎの方になります。

AAFCOでも他の栄養基準でも決められているのはナトリウムの最低摂取量だけで、実は上限値は設けられていません。

これは健康体ならば過剰摂取した塩分は尿と一緒に排出されるからですが、もちろん体には相応の負担がかかります。

塩分は犬にとって不可欠な栄養素ですが、通常のドッグフードには十分な量が配合されているため余計に与える必要はありません。

塩分(ナトリウム)の過剰摂取が起こす悪影響とは?

ここからは塩分を過剰に摂取することで犬の健康にどのような悪影響が現れるのかについて解説していきます。

基本的にはここで説明するような症状が発生してからでは遅いので、もし心当たりがあるようならすぐに獣医師に相談するようにしてください。

喉が渇きやすくなり水を大量に飲むようになる

塩辛いものを食べすぎると喉が渇き、水を多く飲むようになるのは人間も犬も同じです。

ただし犬は人間のように自分の意思を明確に示すことができないので、飼い主が思うように水を与えてくれないと屋外の汚い水を勝手に飲んでしまったりもするので注意しましょう。

汚れた水を飲むことでお腹を壊して下痢や嘔吐をするようになると、さらに脱水症状が進行して体調の悪化が加速することも考えられます。

とはいえ水を多く飲む段階なら体内の塩分は尿によって排泄されていくので、少し塩分を与えすぎてしまったときは水も多めに与えることを心がけてください。

血圧の上昇によって心臓や腎臓の負担が増す

塩分の過剰摂取が慢性的に続くようになると、血圧が上昇し内蔵に大きな負担がかかるようになります。

すると人間でいう生活習慣病にあたる高血圧・心臓病・腎臓病・脳卒中といった病気のリスクが跳ね上がっていくので、早急に塩分の摂取量を見直す必要が出てくるでしょう。

この段階まできてしまうとドッグフードを変える程度では間に合わないので、必ず獣医師の診察に従って適切な治療を開始するようにしてください。

ちなみに塩分を気にして「療養食」タイプのドッグフードを自主的に導入する人もいますが、療養食フードは必要な栄養素も不足してしまうことがあるので注意しましょう。

療養食ドッグフードは獣医師の指示に従って与えるのが大前提です。

塩分コントロール用のドッグフード選びでは通常とは異なる慎重さが求められるでしょう。

低ナトリウム系おすすめドッグフード5選

大抵のドッグフードは塩分(ナトリウム)量を総合栄養食として必要な最低ラインに抑えているため、単純に低ナトリウムにしただけのドッグフードを採用する効果は薄いと言えます。

しかし低ナトリウムと同時に内蔵ケアや健康サポート成分をバランス良く配合したタイプのドッグフードなら、高い相乗効果を期待することもできるでしょう。

ここではそうした低ナトリウム系のドッグフードのうち、おすすめを5つ紹介していきます。

ヒルズ プリスクリプション・ダイエットk/d (腎臓ケア)

ヒルズ プリスクリプション・ダイエットk/d (腎臓ケア)” width=

商品名 ヒルズ プリスクリプション・ダイエット(特別療法食)〈犬用〉 k/d ケイディー チキン味 ドライ
参考価格 3,520円/1kg(公式サイト)
内容量 1kg・3kg
種別 食事療法食
原材料 米、動物性油脂、トウモロコシ、全卵、ビートパルプ、エンドウマメ蛋白 、トリ肉エキス、植物性油脂、魚油、亜麻仁、ポークエキス、オーツ麦、フラクトオリゴ糖、ミネラル類(カルシウム、ナトリウム、カリウム、クロライド、マグネシウム、銅、鉄、マンガン、セレン、亜鉛、ヨウ素、リン、イオウ)、アミノ酸類(スレオニン、タウリン、トリプトファン、メチオニン、リジン)、乳酸、ベタイン、L-カルニチン、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物)
成分 タンパク質:15.2 %、脂質:22.4 %、炭水化物(NFE):56 %、粗繊維:1.6 %、カルシウム:0.69 %、リン:0.29 %、カリウム:0.75 %、ナトリウム:0.18 %、マグネシウム:0.111 %、ビタミンC:101 ppm、ビタミンE:638 IU/kg、オメガ3脂肪酸:1.21 %、オメガ6脂肪酸:3.99 %、カルニチン:579.8 ppm
原産国 チェコ
公式サイトまたは正規代理店 https://www.hills.co.jp/

国際ペットフードブランド「ヒルズ」が販売している食事療法食ドッグフードの一つがk/d (ケイディー)腎臓ケアです。

ナトリウム量を0.18%にまで抑えながら他の栄養素のバランスは高いレベルで整えられているのが特徴です。

特に腎臓に不安を抱える犬に向いた製品ですが、広くダイエットフードとしても応用することができるでしょう。

ロイヤルカナン 腎臓サポート

ロイヤルカナン 腎臓サポート” width=

商品名 腎臓サポート ドライ
参考価格 2,918円/1kg(Amazon)
内容量 1kg・3kg・8kg
種別 食事療法食
原材料 米、コーンフラワー、動物性油脂、コーングルテン、コーン、加水分解タンパク(鶏、七面鳥)、ビートパルプ、超高消化性小麦タンパク(消化率90%以上)、魚油(オメガ3系不飽和脂肪酸〔EPA+DHA〕源)、植物性繊維、大豆油、サイリウム、フラクトオリゴ糖、マリーゴールドエキス(ルテイン源)、アミノ酸類(L-リジン、DL-メチオニン、タウリン、L-トリプトファン)、ゼオライト、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル)、ミネラル類(Cl、K、Na、Ca、Mg、Zn、Mn、Fe、Cu、I、Se)、ビタミン類(A、コリン、D3、E、C、パントテン酸カルシウム、ナイアシン、B6、B1、B2、ビオチン、葉酸、B12)、保存料(ソルビン酸カリウム)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリーエキス)
成分 タンパク質:12.0 %以上、脂質:16.0 %以上、粗繊維:3.4 %以下、灰分:4.4 %以下、水分:10.5 %以下
原産国 フランス
公式サイトまたは正規代理店 https://www.royalcanin.com/jp

大手ペットフードブランド「ロイヤルカナン」が販売する、慢性腎臓病を抱えた犬向けドッグフードです。

ロイヤルカナンは犬種・ライフステージ・健康状態などに応じて非常に多彩な製品ラインナップを用意しているのが特徴で、その中でも「腎臓サポート」はリンの含有量を減らし腎臓への負担を低減する栄養バランスを実現しています。

ナトリウム量についての詳しい記載はありませんが、同じく腎臓への負担を低減するために最低限に抑えられていると考えていいでしょう。

ロイヤルカナンの他の食事療法食ドッグフードでは「心臓サポート」が明確に低ナトリウム調整されているので、腎臓よりも心臓や血管が気になる犬には獣医師に相談の上そちらを選ぶのもおすすめです。

ピュアラックス ステラホリスティックヘルス

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商品名 ピュアラックス ステラホリスティックヘルス
参考価格 4,961円/1.8kg(公式サイト)
内容量 1.8kg
種別 食事療法食
原材料 チキン(天然グルコサミン&コンドロイチン源)(35%)、エンドウ豆(17%)、サツマイモ(17%)、骨抜きターキー(低灰分)(4%)、骨抜きトラウト(低灰分)(4%)、卵(4%)、チキン脂肪(保存料として混合トコフェロール使用)(3%)、亜麻の種(3%)、ニンジン(3%)、天然香味料(3%)、トマトポマース(食物繊維源)(2.5%)、サーモンオイル(オメガ3脂肪酸)(1.25%)、昆布(0.5%)、酵母培養液(プレバイオティクス)(0.45%)、クランベリー&ブルーベリー(0.45%)、*フラクトオリゴ糖(プレバイオティクス)(0.4%)、塩(0.25%)、第二リン酸カルシウム(0.2%)、タウリン(心臓の健康をサポート)(0.2%)、ビタミン類(0.1%)(ビタミンEサプリメント、ナイアシンサプリメント、D-パントテン酸カルシウム、ビタミンA酢酸塩、チアミン硝酸塩、塩酸ピリドキシン、リボフラビンサプリメント、ビタミンD₃サプリメント、ビオチン、ビタミンB₁₂サプリメント、葉酸)、ミネラル類(0.1%)(硫酸第一鉄、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、酸化マンガン、硫酸銅、アミノ酸キレート化鉄、アミノ酸キレート化マンガン、アミノ酸キレート化亜鉛、アミノ酸キレート化銅、亜セレン酸ナトリウム、炭酸コバルト、エチレンジアミン・ジヒドロヨウ素)、*バチルス・コアギュランス菌発酵生成物(プロバイオティクス)(0.1%)、塩化コリン(0.1%)、混合トコフェロール(天然抗酸化剤)(0.1%)、*ウコン(天然クルクミン源)(0.1%)、ビタミンE(0.1%) 、ユッカ・シジゲラ抽出物(0.1%)
成分 粗タンパク質:20.0%以上、粗脂肪:10.0%以上、粗繊維:5.0%以下、水分:10.0%以下、灰分:8.5%以下、カルシウム:0.75%以上、リン:0.65%以上、マグネシウム:0.08%以上、ナトリウム:0.25%以上、ビタミンE:120IU/kg以上、オメガ6脂肪酸:1.0%以上、オメガ3脂肪酸:1.0%以上、タウリン:1000mg/kg以上、グルコサミン:500mg/kg以上、コンドロイチン:400mg/kg以上、乳酸形成菌総数:1億cfu/lb以上
原産国 アメリカ
公式サイトまたは正規代理店 https://www.pureluxe.jp/

ピュアラックスはグレインフリー・グルテンフリーにこだわった健康志向の強いペットフードメーアーです。

「ステラホリスティックヘルス」はその中でも低ナトリウム・低灰分・低リン・低カロリーを徹底した製品で、腎臓のサポートをするだけでなく皮膚や毛並みの健康維持や消化を助ける効果も期待することができます。

日清ペットフード ダイエティクス・キドニーキープ

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商品名 ダイエティクス・キドニーキープ
参考価格 3,980円/1kg(楽天市場)
内容量 1kg・3kg
種別 食事療法食
原材料 小麦全粒粉、でんぷん類、ビーフオイル、ミートミール、脱脂米糠、フィッシュオイル、ビートパルプ、チキンレバーパウダー、馬鈴薯たんぱく、ライスファットカルシウム、セレン酵母、ミネラル類(カルシウム、カリウム、ナトリウム、塩素、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素、コバルト)、アミノ酸(メチオニン)、ビタミン類(A、E、K、B1、B2、B6、B12、パントテン酸、ナイアシン、葉酸、ビオチン、コリン、C)、酸化防止剤(ローズマリー抽出物)
成分 タンパク質:14.0%以上、脂質:12.0%以上、粗繊維:5.0%以下、灰分:9.0%以下、水分:10.0%以下、カルシウム:0.6%(標準値)、リン:0.4%(標準値)、ナトリウム:0.25%(標準値)
原産国 日本
公式サイトまたは正規代理店 https://dietics.petline-brand.jp/index.html

ダイエティクスは日清製粉グループ傘下の日清ペットフードが手掛けるブランドで、日本国産の療法食フードの開発販売に特化しているのが特徴です。

キドニーキープ」はナトリウム含有量を0.25%まで抑え、腎臓病対策に優れたドッグフードとして高い評価を受けています。

基本的には通販ではなく獣医師の推薦を受けて使用する療法食なので、使用を検討する際は動物病院やペット専門店で助言を仰ぐようにしましょう。

毎日美食 鶏肉&海と山の幸の贅沢コース (ドライフード)

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商品名 毎日美食 鶏肉&海と山の幸の贅沢コース
参考価格 5,480円/1kg
内容量 1kg
種別 総合栄養食
原材料 鶏肉、大麦、玄米、鰹節、ビール酵母、大麦ぬか、米油、まぐろ、タラ、アジ、ごま油、甜菜繊維、卵黄粉末、黒米、さつまいも、にんじん、りんご、むらさき芋、かぼちゃ、大麦若葉、わかめ、昆布、国産キノコミックス粉末(鹿角霊芝、霊芝、アガリクス、山伏茸、シイタケ、ハナビラタケ、タモギタケ、クロキクラゲ)、セレン酵母、ミネラル類(貝殻未焼成カルシウム、塩化カリウム、グルコン酸亜鉛、ピロリン酸第二鉄、グルコン酸銅)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB2、ビタミンB12、パントテン酸カルシウム)、酸化防止剤(ローズマリー抽出物、ミックストコフェロール)
成分 タンパク質:17.8%以上、脂質12.9%以上、粗繊維1.1%以下、灰分:4.4%以下、水分:10.0%以下
原産国 日本
公式サイトまたは正規代理店 https://withpety.com/

毎日美食 鶏肉&海と山の幸の贅沢コース」は国産の無添加ペットフードメーカーであるウィズペティが販売する低タンパク・低リン・低ナトリウムをコンセプトにした製品です。

食事療法食ではなく総合栄養食なので健康サポート成分は限定的になりますが、その代わり通販などでも購入しやすい点が魅力とも言えるでしょう。

公式サイトには成分表に記載されていないさらに細かい栄養成分が公表されており、それによるとナトリウム量は0.14%というこれまで紹介してきた食事療法食ドッグフードも下回る数値となっています。

2024年から食事療法食ドッグフードの通販基準が厳しくなり、かかりつけ獣医の登録などが必須になるケースが増えているので購入検討時には注意しましょう。

犬にとって最適な塩分量を守る方法とは?

犬の健康に最適な塩分量を守るためには、ドッグフード選び以上に日々の食習慣を見直すことが大切になるでしょう。

この項目では愛犬の塩分コントロールにおいて、特に気をつけておくべきポイントを改めて確認していきます。

トッピングの量に気をつける

ドッグフードの食いつきを良くするためにトッピングを追加することはよくあります。

しかし総合栄養食のドッグフードにさらにトッピング系フードを加えてしまうと、塩分が1日の許容値を超えてしまうリスクは増大することになるでしょう。

ふりかけ」程度のトッピングなら問題になるケースは少ないと考えられますが、ドライフードに少量のウェットフードを添えるようなトッピングをしていると塩分過多になりやすいので要注意です。

また「おやつ」として販売されているタイプのドッグフードにもしっかりと栄養は含まれているので、主食のフードと合わせた栄養計算のやり直しを忘れないようにしましょう。

人間用の食品を与えない

犬よりも体が大きく塩分の許容量も多い人間でも、簡単に塩分の摂りすぎで生活習慣病を発症します。

その理由として現代人の食事における塩分量の多さはよく指摘されるところでしょう。

そんな人間用の食品を犬に与えることがいかに危険かは、言うまでもありません。

愛犬と一緒に食事をしたいという気持ちはわかりますが、人間基準での「この程度なら大丈夫だろう」という判断が愛犬の健康に取り返しのつかない被害を与えてしまう可能性は常に考えておくべきです。

たとえば薄切りのハムは人間からすると食べたうちにも入らない程度かも知れませんが、僅か3枚ほどで体重5kgの犬の許容量を超えてしまうほどの塩分を持っています。

スナック菓子や醤油を使った料理となると舐める程度でも過剰摂取になるリスクがあるので、与えるだけでなく拾い食いを防止するといった対策も必要になるでしょう。

塩分を控えすぎて逆に塩分不足を起こさないことも重要

塩分コントロールについては過剰摂取を恐れるあまり、塩分不足を引き起こすこともあるのが難しいところです。

通常の総合栄養食ドッグフードを与えているぶんには塩分不足の心配はほとんどありませんが、低ナトリウム系ドッグフードを使う際には特に注意が必要でしょう。

塩分が足りなくなった犬は「低ナトリウム血症」という状態になり、ボーッとすることが増えたりふらついたりするようになります。

また尿の色が濃くなる、よだれ・嘔吐・失禁などが増える、お腹が膨れるといった症状も確認できるようになり、最後には意識が低下して痙攣や昏睡に至ります。

低ナトリウム血症は急速に進行するので、少しでも異変を感じたらすぐに獣医師に診察してもらいましょう。

犬の食事では適正量のドッグフードと水のみを与えるようにして、想定外のものを加えないようにすることが大切です。

ドッグフードと塩分に関するよくある質問

犬に与えてはいけない塩分過多の食品とは具体的にどんなものですか?

塩分の高い肉加工食品(ハム・ベーコン・ソーセージ・コンビーフなど)は犬が勢いよく食べてしまうので特に注意が必要です。

他にスナック菓子(ポテトチップスや焼き菓子など)、漬物類(ピクルス・梅干し・沢庵など)、塩分の高いチーズ類、魚介加工食品(干物・燻製など)も避けた方がいいでしょう。

また当然ですが「食塩」や「醤油」などの調味料そのものを与えるのも厳禁です。

犬にとって過剰摂取とされる食塩量は?

その犬の体格や年齢によっても異なりますが、一般的に体重1kgあたり2~3gの食塩で危険水域に達するとされています。

通常はドッグフードで1日に必要な塩分は摂取済みのはずなので、実際にはもっと少ない量の食塩で塩分過多の状態に陥ると考えておきましょう。

ドッグフードとキャットフードに塩分量の違いはありますか?

猫は犬よりも1日に必要な塩分量が高いため、キャットフードの方がドッグフードよりも塩分(ナトリウム)が豊富に配合されています。

また犬と猫では食事による健康リスクの違いによりフードの栄養バランスも異なるため、犬にキャットフードを与えると塩分の摂りすぎや必要栄養素の欠乏を起こす恐れがあります。

もちろん猫にドッグフードを与える場合にも同様のリスクが存在します。

そのため犬と猫にはそれぞれ専用のフードを与えることがきわめて重要です。

塩分(ナトリウム)の摂取量に関する問題は愛犬の健康に直結するため、何かわからないことがあったときは必ず獣医師に相談するようにしてください。

ドッグフードと塩分(ナトリウム)のまとめ

犬にとって塩分(ナトリウム)は欠かせない栄養素の一つです。

しかし塩分は多すぎても少なすぎても問題を引き起こすため、ドッグフードの塩分配合量は非常に繊細なレベルで調整されています

  • ドッグフードに含まれる塩分(ナトリウム)だけなら健康に問題はない
  • おやつの与えすぎや人間の食べ物で塩分の適正量は簡単にオーバーする
  • 塩分で問題が起こった際は獣医師の指示に従ってドッグフードを変える

基本的に総合栄養食のドッグフードと十分な水を与えているだけなら犬の塩分量が許容値を上回ったり、逆に塩分不足で不調をきたす心配はありません。

しかしおやつを与えすぎてしまったり、塩分豊富な人間用の食べ物を与えたりしてしまうと想像以上に簡単に犬の塩分許容値をオーバーしてしまいます。

そして塩分の摂りすぎが慢性化すると内蔵などに負担をかけ、確実に愛犬の寿命を縮める結果となるでしょう。

そのため愛犬の塩分量を気にするならドッグフードではなく「それ以外」の食事に注意し続けることが大切になるでしょう。

もし何か健康被害が見られるようなら、すみやかに診察を受けて食事療法食ドッグフードに切り替えるといった対策を取るようにしてください。

愛犬の塩分コントロールで重要なのはドッグフードを変えることよりも、それ以外の余計なものを与えすぎないことになるでしょう。
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