消化機能が低下したシニア犬、消化器官が未熟な子犬(パピー)には、ドライタイプのドッグフードをふやかすことで食べてくれる場合があります。
ただ、間違った方法でふやかしてしまうと、栄養が損なわれ、体調を崩す場合も。
ドッグフードをふやかした方がいいケース
ドライフードタイプのドッグフードをふやかした方が良いケースは、次の2点です。
愛犬の食欲がないとき
一般的なドライタイプのドッグフードは、硬いので嚙み砕くだけでも、かなりのエネルギーを使います。
健康なワンちゃんなら、問題ありませんが、年齢や病気などで弱っていると、ご飯が食べれない場合も。
その場合、ドッグフードを水分でふやかすことで柔らかくなり、食べやすくなります。
愛犬にカリカリ(ドライタイプ)のフードを食べさせたいとき
ドッグフードには、水分含有量が多いウェットタイプのフードもあります。
柔らかいので、食べやすさはありますが、カリカリ(ドライタイプ)のフードと比べると若干割高です。
保存もカリカリタイプが長持ちするので、カリカリ派の家庭であれば、ふやかす方法がおすすめです。
ドッグフードの正しいふやかし方
ドッグフードの正しいふやかし方は、次の3ステップです。
1食分のドッグフードをお皿に盛る
ドッグフードが浸るまで、ぬるま湯(30~40度)をお皿に注ぐ
ふやかすために、10分から15分ほど放置します。
指で押して、ドッグフードが潰れるぐらいまでふやかします。
ドッグフードをふやかす場合の注意点
ふやかす際の注意点もまとめました。
間違った方法でふやかすと、ドッグフードの栄養素が失われてしまう場合もあるので、要注意です。
熱湯でふやかさない
熱湯でドッグフードをふやかすのはNGです。
熱湯により、たんぱく質やビタミン、乳酸菌といったもともとの栄養素が熱で損なわれてしまう可能性があります。
ふやかす場合のお湯の温度は、30~40度が最適です。
ミネラルウォーター、牛乳でふやかさない
ミネラルウォーターや牛乳でふやかすこともNGです。
ミネラルウォーターに含まれているミネラルを過剰に摂取すると、尿路結石を引き起こす場合があります。
また、牛乳は栄養が豊富なため、栄養の過剰摂取に繋がる恐れも。
ふやかす際は、ぬるま湯でふやかすようにしましょう。
作り置きはNG
ふやかし終えたドッグフードは、すぐに愛犬に与えましょう。
ふやかしたフードは、酸化が早まるため、雑菌が繁殖しやすい状況にあります。
そんなふやかしたフードを食べてしまうと、お腹を壊してしまいます。
ドッグフードをふやかすことのメリット
満腹感が得られるので、食べ過ぎを防ぐ
ふやかしたドッグフードは水分を含むため、いつもより満腹感を得られます。
結果、フードの食べ過ぎを防ぐことができるので、食べ過ぎなワンちゃんにも最適です。
ふやかすことで、香りが強くなり食欲増進
ドライタイプのドッグフードをふやかした場合、フードの香りがより強くなります。
香りが食欲を刺激し、いつもより食欲が増すケースも。
食欲がないワンちゃんも、ふやかしたフードなら食べてくれるかもしれません。
ウェットフードと比べると、経済的
カリカリ(ドライタイプ)のドッグフードは、ウェットタイプのフードと比べると、容量当たりの価格がリーズナブルです。
食べやすさを重視し、ウェットタイプへの変更を考えている場合は、まずドライタイプをふやかす方法を試してみましょう。
ご飯と一緒に水分補給もできる
ふやかしたフードを食べることで、自然に水分補給ができます。
犬の体は水分で出来ている部分が50%~80%と言われており、水分補給は犬の健康にとって重要な要素。
実際、体内の水分が15%失われると、犬は危険な状態に陥ってしまうことがあります。
特に夏場は気温が高く、脱水症状にかかるリスクも高まります。
ドッグフードをふやかすことのデメリット
愛犬の噛む力が弱くなる
愛犬が柔らかいフードに慣れてしまうと、噛む力が衰える可能性があります。
犬にとって噛むことは、顎や歯の健康を維持するために重要です。
顎や歯に異常があると、ストレスに繋がり行動や性格に悪い影響を及ぼす可能性があります。
歯周病になる可能性
ふやかしたフードは、ドライタイプのフードに比べて柔らかく、歯に付着しやすくなります。
その結果、犬の歯にプラークが溜まりやすくなり、歯周病のリスクが高まる可能性があります。
ふやかす手間がかかる
ご飯のたびに、ぬるま湯でふやかす手間がかかります。
通常のドライフードよりも、手間・労力がかかるので、飼い主さんにとってはデメリットになります。
シニア犬は何歳からふやかしたドッグフードをあげたほうがいいの?
”〇歳を超えたら、ドッグフードをふやかしたほうがいい”という、目安はありません。
10歳を超えても、元気にご飯を食べられる状態であれば、ふやかさずにフードを与えて大丈夫です。
逆に10歳未満の成犬でも、硬いドッグフードを食べない・食べれなくなった、といった場合は、ふやかしたフードを検討してみましょう。
子犬は何歳までふやかしたドッグフードをあげたほうがいいの?
個体差はありますが、目安は生後3、4ヶ月です。
生後3、4か月で歯が揃い始めるので、そのタイミングでの切り替えがおすすめです。
ただ、ふやかさないフードを食べない時は、ふやかしたフードを与えるほうがいい場合もあります。
ふやかしたフードを食べ続けることで、歯・顎に悪影響を及ぼすこともありますが、ご飯を食べないことのほうが問題です。
ドッグフードをふやかしても食べてくれないときの対処方法
ふやかしたドッグフードを食べてくれない場合の対処法もまとめました。
電子レンジで温める
ふやかしたフードは、電子レンジで温めると、香りが強くなります。
香りが強くなることで、ワンちゃんの食欲が増す場合があります。
犬用のふりかけをトッピングする
ふやかしたフードに、犬用のふりかけをまぶすのもおすすめです。
味の変化、風味が立つことで、食欲が増すかもしれません。
また、栄養豊富なふりかけもあるので、少量の食事でも十分な栄養を摂取できる可能性があります。
ドッグフードをふやかすことのよくある質問
ドッグフードをふやかす方法のまとめ
カリカリタイプ(ドライタイプ)のドッグフードをふやかすことで、ワンちゃんがご飯を食べてくれるかもしれません。
ふやかす方法は単純で、誰でも簡単にできる方法でした。
- ぬるま湯(30~40度)でふやかす
- ふやかす時間は、10分から15分ほど(パッケージに記載されているなら目安にする)
- 作り置きはNG。冷蔵庫保管なら24時間以内に使い切る
- 熱湯、牛乳、ミネラルウォーターでふやかさない
また、ふやかしたフードを与え続けることで、ワンちゃんの歯やアゴが弱くなってしまう可能性もあります。